年齢を重ねるごとに段々と増えて来る、老人性イボに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
老人性イボをそのままにしておくと年々大きくなり、数も増えてきますから、皮膚科で治療するか、市販薬や老人性イボイボ専用クリームなどを使って自宅ケアするなどして対策を取りましょう。
特に自宅ケアは気軽に始められますし、費用も安く済みますのでおすすめです。
ここでは、老人性イボを治療する際に皮膚科ではどのような治療が行われているのか、その治療法と、自宅ケア方法をご紹介していきましょう。
老人性イボとは?
老人性イボとは加齢や長年受け続けた紫外線の影響で発生するイボで、特に顔や首、胸元、腕などの日光に当たりやすい部位にできます。
加齢や紫外線の蓄積が原因でできるので、人にうつることはありません。老人性イボが発生する多くの原因は、紫外線の蓄積が肌のターンオーバーの乱れを生み、それが元で古い角質がはがれにくくなって発生しやすくなります。
また他にも衣服やアクセサリが皮膚に当たって摩擦やこすれを生み、肌の刺激がターンオーバーを乱れさせ、老人性イボを形成しやすくなるという原因もあります。
ウィルス性イボとの違い
老人性イボとウィルス性イボの最大の違いは、イボができる原因です。
ウィルス性イボができる原因はウィルスであり、老人性イボが発生する原因は加齢や紫外線の影響なので、ウィルスは全く関係ありません。
ウィルス性イボはウィルスを無くさなければ治ることはありませんから、市販薬を使うか、皮膚科で治療を行って治すことになります。
老人性イボは、「老人性イボ専用クリーム」などで肌のターンオーバーを正常化するよう促してあげると解消されやすくなります。ですから皮膚科に通わなくても、自宅でケアすることが可能です。
皮膚科での老人性イボの治療方法の特徴
皮膚科で老人性イボを治療しようとする場合、よく使われる治療法に「医療メス治療」「液体窒素治療」があります。この二つの治療法は健康保険が適用されるため、比較的安い治療費で老人性イボを治療することができます。
また一般の皮膚科では扱われていませんが、美容皮膚科や美容形成外科などで医療レーザーを使った「レーザー治療」もあります。レーザー治療は健康保険の適用がない自由診療の料金になりますので、治療費が高額になることが多いです。
医療メス治療
「医療メス治療」は、電気メスで老人性イボを切り取っていく治療法で、電気焼灼法とも呼ばれます。
イボがあまり大きくなく、直径5ミリ以下のイボを除去する時によく用いられる治療法で、一度に沢山のイボを治療することができます。
治療後は皮膚がへこむ、軽いやけどの症状が出るといったこともありますが、2〜3週間程経過すると、治療による傷跡はほぼ目立たなくなります。
医療メスでイボを切り取っていく歳には麻酔を使いますので、痛みも感じずに治療を終えることができます。
医療メス治療のメリット
・一度に沢山のイボを治療できる
・麻酔を使用する
・痛みがほぼない
・治療時間も早い
・健康保険が適用される
・治療費も目安は1回数千円
医療メス治療のデメリット
・大きなイボは除去できない
・まれに傷跡が残ることがある
・治療後は軽いやけどになることも
・治療後肌がへこむこともある
液体窒素治療
「液体窒素治療」は、極度に冷やした液体窒素を老人性イボに塗り込み、低温やけどを故意に起こさせて、かさぶたとともにイボ組織を落としていくという治療法です。
液体窒素は−196℃という冷たさで冷却されており、これを綿棒やスプレー、ピンセットなどでイボに直接塗り込みます。イボは1〜2日で水膨れになり、1週間後にかさぶたになります。
そして2週間前後でかさぶたにイボが張り付いた状態になり、そのまま自然にかさぶたと一緒にイボがはがれ落ちるという工程をたどります。これを数回繰り返して治療を進めていきます。
液体窒素治療のメリット
・内服薬より効果が高い
・1回の処置時間が5分程で短い
・健康保険が適用される
・比較的に費用が安い
・イボ10個以下で数百円程度
・治療した当日も入浴OK
液体窒素治療のデメリット
・通院期間が長く数ヶ月かかることも
・ヒリヒリした痛みを感じることも
・傷跡が残ることがある
・色素沈着が残ることがある
・ケロイドになることもある
・小さいイボは除去しきれないことも
レーザー治療
「レーザー治療」は美容皮膚科や美容形成外科などで行われている、炭酸ガスレーザーをイボに照射して寝るエネルギーを与えて、イボをくりぬいて取り除いていく治療法です。
炭酸ガスレーザーがイボの中にある水分に反応すると、大きな熱エネルギーが生まれ、その熱が放出される時にイボ組織が破壊されるという仕組みです。
治療後1週間ほどでかさぶたができますが、傷を乾かさずに湿ったままの状態で完治に導いていくため(湿潤療法)、数日は軟膏やクリームを塗る、テープを貼って保護するというアフターケアが必要になります。
レーザー治療のメリット
・麻酔を使う
・痛みが少ない
・出血も少ない
・通院回数が少ない
・1〜2回の治療で終わる
・1回の処置時間が短い
・傷跡が残りにくい
レーザー治療のデメリット
・治療後は炎症止めを塗るケアが必要
・麻酔が切れると痛むことも
・医師のスキルで傷跡が残ることも
・健康保険が使えない
・治療費が高額になる場合が多い
・病院によって費用に幅がある
・数万〜〜数十万ほどが相場
自宅で老人性イボをケアする方法
実は老人性イボを自宅でカンタンにケアする方法もあります。ここからいくつかご紹介していきます。
イボコロリ飲み薬
市販薬のイボコロリ飲み薬を服用すると、老人性イボを解消するのに期待することができます。
イボコロリ飲み薬には、漢方薬の一種であるヨクイニンというハトムギの種子を精製した成分が入っています。ヨクイニンが肌の新陳代謝を活性化させて、肌のターンオーバーを正常にするサポートをします。
老人性イボができる原因は肌のターンオーバーの乱れですから、ヨクイニンの効能が全身に行き渡ることで肌のターンオーバーが整い、老人性イボを次第に改善していくということにつながります。
しかしイボコロリ飲み薬は、こうして肌のターンオーバー改善をねらっている薬のため、2〜3ヶ月以上は飲み続けなければ効果はあまり得られません。
イボコロリ飲み薬は「今すぐ老人性イボをなくしたい」「短期間で老人性イボを治療したい」という方には向かない市販薬です。
またイボに塗るタイプの市販薬「イボコロリ液体」は、老人性イボに対しては成分が強すぎて、使うと肌荒れが起こる可能性が高いので使用は避けます。
イボケア化粧品・クリーム
老人性イボを自宅ケアする方法として、イボケア化粧品や専用クリームを使うという方法もあります。
イボケア化粧品で代表的なものはハトムギ化粧水や、ヨクイニン化粧品、杏仁(きょうにん)オイルなどです。これらイボケア化粧品は肌の生まれ変わりを促進し、肌のターンオーバーが正確に行われるようサポートして、イボ解消を目指していくものです。
また近年では老人性イボを解消するために開発された、老人性イボ専用クリームも登場していますので、毎日このようなイボケア商品を使うことでも老人性イボは解消されやすくなるでしょう。
老人性イボは放置しても大丈夫?
老人性イボは放置すると、大きく成長したり、イボの数が増加していきます。見た目もどんどん悪くなっていきますから、なるべくイボの小さいうちに治療や自宅ケアを行うことをおすすめします。
最低でも自宅ケアをおすすめします
老人性イボはその名の通り、年齢を重ねた方の肌によく見られるイボです。
しかし紫外線の影響や日頃のお手入れ不足などで、30代や40代という早い年代のうちから老人性イボが発生する方もいます。
確かに老人性イボは皮膚科や美容皮膚科などで治療することが可能です。しかし、イボの大きさや数によっては費用がかなりかさむ場合もあります。それに忙しい方ですと、まず病院に通院すること自体が難しいという場合もあるでしょう。
老人性イボを増やさないために、最低でも自宅ケアをしておくことをおすすめします。早めに老人性イボに対する自宅ケアをしておけば、イボの改善や解消、予防などを目指すことが出来ますので、老人性イボの発生も少なくなることが見込めます。
老人性イボは放置していても治ることはなく、増加する一方です。まずは、「老人性イボ専用クリーム」などを塗って、老人性イボの自宅ケアを行っていくことから始めてみるのもとてもおすすめです。